




岩と棒と球
「普通、粘土はやわらかい状態で使うが
岩の部分は乾燥させた粘土をハンマーで割って作る
作るといっても、思い通りのかたちを作るわけではない
自然の岩のような、偶然のかたちだけが生まれる
そこに角棒や球を組み合わせた
積むことによって新しいかたちが見えてくる」
山を登り始めて森林限界を超えてくると、土よりも岩や砂礫の上を主に歩くようになります。ゴツゴツした岩の上を歩いている時は気を張っていることが多いのであまり細かいところを観察する余裕はありません。時々岩の間に高山植物なんかがひっそり咲いていて脚をとめたりしますが、火山の活動で生まれた岩々は荒々しく、麓の石とはまるで表情がちがうのです。
この植田さんの作品は、まるでそんな過酷な岩山の一部を切り取ったかのよう。球体や棒は岩の間に咲いている花や、岩に独特の模様をつける地衣類のようです。
置き方を変えたり、パーツが分かれるものは組み合わせを変えたり、さまざまな表情に変化するところもおもしろいところです。
植田さんの代表的な作品は、細かい紋様が特徴ですが、これは比較的お求めやすい作品になっています。
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植田佳奈
1992年神奈川県生まれ
2015年武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科陶磁専攻卒業
用途の外ではどのような陶芸ができるのか、土や釉で実験を繰り返しながら、陶芸での新たな質感を探っています。
陶芸制作を通し、自然物の成り立ちやその存在の観察をしています。
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植田 佳奈
W97 x H87mm、W87 x H72mm
2パーツ
陶
日本製